Mobil Glygoyle™ 11、22および30
Mobil industrial , Japan
製品の概要
Mobil Glygoyle™ 11、22、および30は、ポリアルキレングリコール(PAG)系の高性能潤滑油であり、鉱油系潤滑油の適用範囲をはるかに超える過酷な条件下で稼働する、ギヤ、軸受および循環系統での用途において優れた潤滑性能を発揮します。本製品は、せん断安定性に優れており、卓越した耐熱性、酸化安定性、スラッジや堆積物の生成を抑制する性能を有しています。本製品は、PAG系基油固有の特性を損なうことなく、極圧性/耐摩耗性、耐腐食性/防錆性、消泡性等を向上させるために独自の添加剤が処方されています。
Mobil Glygoyle 11、22、および30は、粘度指数が非常に高く、ワックスを含んでいないため、極めて低い流動点を示します。本製品は鉱油系潤滑油よりも低い摩擦係数とトラクション係数を示します(例えば相対運動をするギヤまたは軸受の接触において)。 これらの優れた潤滑特性により、多くの用途において稼働温度を低減させることができます。
Mobil Glygoyle 11、22、および30は、最も過酷な工業用途において、25年以上にわたり優れた性能を発揮してきました。本製品は、主要なプラスチックカレンダーや抄紙機の軸受、コンプレッサーおよびギヤメーカーにより推奨されており、多くの過酷な使用条件下での用途に最適な製品です。
製品の特長と利益
Mobil Glygoyleブランドの潤滑油は、その革新性と卓越した性能により、世界中で認められ、高く評価されています。Mobil Glygoyle 11、22、および30には、特別に分子設計されたポリアルキレングリコールが選択されており、高度な技術を使用して優れた製品性能を提供するという継続的な取り組みを象徴しています。Mobil Glygoyle 11、22、および30の製品開発における重要な要素は、絶えず進化する工業設備設計において、本製品が優れた性能を発揮できるよう、当社の研究スタッフや応用分野の専門スタッフが主要機器メーカー各社と密接な協力体制を築き上げたことにあります。
Mobil Glygoyle Seriesは、主に鉱油系製品やその他の合成製品では十分に性能を発揮することができない、厳しい高温条件下で稼働する様々な工業設備の要求を満たすように設計されています。低摩擦、低トラクションやガス溶解性などの特長が更に加わり、より広範囲の工業用途で使用できる可能性が広がっています。Mobil Glygoyle 11、22、および30は、次の特長と期待できる利益を提供します。
特長 |
長所と期待できる利益 |
優れた熱安定性と酸化安定性、およびスラッジと堆積物の生成に対する耐性 |
潤滑油寿命の延長、生産能力の向上、計画停止時間と予期せぬ停止時間の低減 保全費用と交換費用の削減 |
低いトラクション係数と摩擦係数 |
稼働温度の低下、設備効率の向上、電力消費量の削減、シール寿命の延長 ころがり軸受の微小すべりの影響を最小限に抑え、ころがり軸受の寿命を延長 |
非常に高い熱伝導率 |
作動温度を下げ、充填寿命を延長 |
優れた低温流動性 |
低温環境下でより迅速な暖機運転を可能にすることで、消費電力を削減し、円滑な稼働を実現 |
金属材が鋼鉄同士の場合も、鋼製と青銅の場合も、高温下でのギヤ歯面の摩耗を低減 |
摩耗の低減、作動温度の低下、稼働の円滑化により稼働コストを削減 |
加圧された炭化水素ガスの溶解と粘度低下の抑制 |
油膜保持性能の向上と天然ガスコンプレッサーの寿命延長 |
様々な工業設備への適応性 |
在庫製品数の削減による在庫費用の低減と誤給油の可能性を低減 |
用途
Mobil Glygoyle Seriesは、バルク油温が200℃以下のあらゆるタイプのすべり軸受やころがり軸受、工業用密閉式ギヤの、最も過酷な条件に推奨されます。具体的な用途としては次のものが挙げられます。
• 過酷な条件下でのプラスチックカレンダーの運転
• 抄紙機の高温軸受
• 工業用密閉式ギヤ – 平歯車、ベベルギヤ、ウォームギヤ
• レシプロ式およびロータリー式の空気、天然ガス、CO2およびその他プロセスガスのコンプレッサー
使用上の注意事項
ポリアルキレングリコール(PAG)系潤滑油には、PAG基油特有の優れた潤滑特性があります。ただし、PAG系潤滑油には、シール材、塗料、いくつかの種類の軽金属合金およびその他の潤滑油との適合性に関して制限があります。 PAG潤滑油を適用する前には、機器メーカーに連絡し、使用に関する特別な指示があるかどうかを確認してください。
他の潤滑油との適合性について
Mobil Glygoyle 11、22、および30は、鉱油系潤滑油およびその他ほとんどの合成潤滑油と相溶性がありません。 また、PAG基油の種類によっては、その他のPAG系潤滑油と混和しない場合もあります(例: Mobil Glygoyle 11、22、30とMobil Glygoyle ISO VGシリーズは混和しません)。一般にMobil Glygoyle 11、22、および30は、従来鉱油系潤滑油またはPAO系合成潤滑油が充填されていたされたシステムでの使用には推奨されません。 さらに、現在充填されているPAG潤滑油にMobil Glygoyle 11、22、30を補充する、またはそれと交換する場合には、相溶性を確認することをお勧めします。一般的には、ドレン、フラッシング、補充によりこれらの製品の混合を避けることが推奨されます。鉱油系潤滑油またはその他の合成製品からMobil Glygoyle Seriesに変更する場合は、切り替え前にシステムを十分に洗浄し、適切な洗浄液でフラッシング処理を行うことが重要です。詳細については、ExxonMobilの担当者にお問い合わせください。
水分について
Mobil Glygoyle 11、22、および30は、あらゆるPAG系潤滑油同様に吸湿性があり、鉱油系潤滑油や合成炭化水素よりも多くの水分を吸収します。従って、PAGオイルを過度の水分に暴露させないよう十分特に注意する必要があります。 本製品は比重が高いため、水分は油槽の底に溜まらず潤滑油の上面に留まります。
シール材の適合性について
PAG系潤滑油は、鉱油系潤滑油または合成炭化水素に使用されるほとんどの標準シール材との適合性がありません。適合性のない材料は、収縮または膨張する可能性が高く、重度のシール漏れや焼付きを引き起こします。鉱物系潤滑油または合成炭化水素からMobil Glygoyl 11、22、30に切り替える場合には、必ずシール材との適合性を考慮する必要があります。通常、FKMとVMQはPAGとの使用に適しています。 NBR材を使用することも可能ですが、使用温度範囲に制限があります。 いかなる場合でも、メーカーにより運転条件やエラストマー特性が異なる点について考慮する必要があります。 最善の効果を得るためにも、機械メーカーやシールメーカーに具体的な推奨事項を確認してください。
軽金属合金について
Mobil Glygoyle 11、22、および30およびPAG潤滑油は、鉄鋼材およびほとんどの非鉄鋼材のギヤ用途に適しています。 ただし、Mobil Glygoyle 11、22、30とPAG潤滑油は、アルミニウムまたはマグネシウムを含む軽金属合金との使用には推奨されていません。 PAG潤滑油をこの種の軽金属合金とともに使用すると、摩耗が増加する可能性があります。 詳細については、機械メーカーに確認してください。
その他の材料について
塗料、コーティング剤およびプラスチックには、PAG潤滑油との使用に適していないものがいくつかあります。一般に、二液型塗料(反応塗料、エポキシ樹脂)は、潤滑油と接触する内部コーティング剤としての使用に適しています。 それ以外の場合は、潤滑油と接触する内部をコーティングすることは避けてください。 オイルレベルゲージや点検口などに使用する材質は、天然ガラスまたはポリアミド材で作られているものが望ましいです。その他の透明プラスチック(例:アクリルガラス)は応力下で劣化し、ひび割れする可能性があります。
代表性状
Mobil Glygoyle Series |
Mobil Glygoyle 11 |
Mobil Glygoyle 22 |
Mobil Glygoyle 30 |
銅板腐食、24時間、100℃、レーティング、ASTM D130 |
1B |
1B |
1B |
FZGスカッフィング試験、損傷ステージ、A/8.3/90、ISO 14635-1 |
12+ |
12+ |
12+ |
引火点、クリーブランド開放式試験、℃、ASTM D92 |
226 |
229 |
221 |
泡立ち試験、シーケンスI、安定性、ml、ASTM D892 |
0 |
0 |
0 |
泡立ち試験、シーケンスI、泡立ち度、ml、ASTM D892 |
5 |
5 |
5 |
四球摩擦試験、摩耗痕径、mm、ASTM D4172 |
0.4 |
0.4 |
0.4 |
動粘度@100℃、mm2/s、ASTM D445 |
11.5 |
25.1 |
30.9 |
動粘度@40℃、mm2/s、ASTM D445 |
85 |
177 |
224 |
流動点、℃、ASTM D97 |
-45 |
-41 |
-41 |
防錆性、A法、ASTM D665 |
合格 |
合格 |
合格 |
比重 (20℃/20℃)、ASTM D1298 |
1.009 |
1.007 |
1.006 |
健康と安全
本製品の健康と安全に関する情報については、https://sds.exxonMobil.com/にある安全データシート(SDS)をご覧ください。
本書で使用されているすべての商標は、その他の記載がないかぎり、Exxon Mobil Corporationまたはその子会社の商標または登録商標です。
05-2023